【ゆうた アルバム『胸の太鼓』(MOON-00)】
『希望の翼』エピソード15
ジョイントゲスト紹介
後編は
ゆうた
の1ndソロアルバム
『胸の太鼓』(MOON-00)
をご紹介します。
むかしむかし、二〇世紀の終わり頃、
ぼくらは気持ちを伝えるため、
デンシノテンシを飛ばして、
お願いすることにした。
はじめに、水と空気の歌が…
(歌詞ブックレットのコメンタリーより。)
ん、デンシノテンシって何?
電子の天使!?
その謎めいたオープニングのインストゥルメンタルナンバー
「デンシノテンシ」(M1)
の作者は
ペテンシノイデンシ
ペテン師の遺伝子!?
《夜明け》を合言葉に
何もやろうとしなかった
世界のペテンに牙をむける(M10)
しかしそんなオレも同じそのペテン師の遺伝子を持つ者
他のいのちを食べてしか生きてゆけない存在(M3)
そんな人としての原罪的な宿命に向かい合うことも無く
謝罪の花も
感謝の花も
咲かせようとしないオレたちって一体何?(M7)
豊かな国では飽食し合い
貧しい国では奪い合う
豊かな国では子供たちはその無神経な物質の洪水にキレて
貧しい国では子供たちは大人たちの埋めた地雷で足を吹き飛ばされる
遠い国の出来事なのか
遠い声は聞こえないのか
いや、そうじゃない。
それは見ようとしないだけ。
聞こうとしないだけ。
ボクやアナタに助けを呼ぶ声にこたえようとする気持ちは必ず海を渡る。(M6)
自己存在の危機を告げる「胸の太鼓」の音に耳をすますように(M9)
世界ノ心ノ中へ
そしてその世界ノ心ノ中にある太鼓の音にも耳をすませられるはず。
なぜなら僕らも水と空気から生まれた同じいのちの一部。
H2O/O2…H2O/O2…ここから思い出してみないか?(M2)
このアルバムは
そんな世界の胸の太鼓の音に耳をすませる者たちにとって
深いセラピーともなる一枚。
後に
『ママズ・ソング』(2002)
にソウルフルなライブテイクとなって再録される
「H2O/O2」
の無機的な驚かされるオリジナルスタジオテイク
『扉ノコチラ側』(2010)
でゆうたなおことして力強く再演された
「地雷ではなく花を…」
そして同じく同アルバムで竹山奈穂子のリリカルなボーカルで歌われた名曲
「NAOZARI」
のオリジナルゆうたバージョン
なども収録。
永遠の循環を描いたというユーナ&チョウ・ヒョンジュ
の幻想的なイラストと
ゆうた自身のコメンタリーメッセージと対になった歌詞ブックレットは
それだけで読み応え十分。
ガットギターの弾き語りにフルートなどが絡む既視感ある無国籍なサウンドは
必ずあなたを幻想の世界へ…。
研ぎ澄まされたイノセントとフィロソフィの翼に乗り
同じくペテンシノイデンシを持つ我々も
デンシノテンシ
を飛ばして
世界の太鼓の音に
耳をすましてみようじゃないか…。
夜明け前に 世界よ 終われ…
夜明け前に 世界よ 終われ…
収録曲
1.デンシノテンシ
2.H2O/O2
3.コノユビトマレ…
4.mudai
5.禁じられたい歌
6.地雷ではなく花を…
7.piece 〜世界ノ心ノ中〜
8.つれづれうた
9.ムネノタイコ
10.夜明け日和
11.NAOZARI
MOON-00 ¥2.000(税込)
※このアルバム
も・ち・ろ・ん
当日、ライブ会場にてお買い求めいただけますのでどうかぜひ…!
いつもの夜更かしなのに いつまでも朝がこない
うつぶせに寝かせたままの 時計が私きざむ
どこまでも高く高く どこからも遠く遠く
明日きっと駆け上がるから 今は誰かの顔が見たい
声を聞きたい
「NAOZARI」by ゆうた
築 秋雄